『ザ・シークレット』『ザ・パワー』に続くロンダ・バーン最新作『ザ・マジック』No. 00104

『ザ・マジック』（Rhonda Byrne ロンダ・バーン・著、山川紘矢、山川亜希子、佐野美代子・翻訳／角川書店）2013/2/9 1,680円 317ページ【単行本】ブック・デザイン：BUFFALO.GYM

「この本にはどのように夢を実現するか、どのように健康、金銭、仕事、人間関係を改善するか、そして、そのためにはどのように魔法の力を使うのかを学ぶために、28の特別に企画された魔法の実習方法が書かれています」

全世界で2400万部突破の大ベストセラー『ザ・シークレット』、第2弾『ザ・パワー』に続くロンダ・バーンさんによる最新作『ザ・マジック』。原題もそのまま『The MAGIC』。ちなみに『ザ・メタシークレット』は『ザ・パワー』の後に出たもので、作者は心理セラピストのメル・ギルさんと著者が異なる（いずれも過去の記事を参照。「『ザ・マジック』を読む前に。2400万部を超える世界的ベストセラー『ザ・シークレット』をおさらい No. 00088」、「『ザ・マジック』を読む前に。ロンダ・バーン著『ザ・パワー』をおさらい No.00089」、「『ザ・シークレット』で紹介された「引き寄せの法則」のその先へ−−『ザ・メタ・シークレット』No. 00075」）。

人生においてポジティブで素晴らしいものを得る『ザ・シークレット』の「秘密」は「引き寄せの法則」、『ザ・パワー』の「力」は「愛」、そしてこの『ザ・マジック』の「魔法」とは「感謝」のこと。以前紹介した『ザ・シークレット』の記事でも「本書の中でグッときたフレーズ」で取り上げたが、「もし『ザ・シークレット』の中の知識をただ一つだけ選ぶとしたらそれは感謝です」と『ザ・シークレット』には書かれていた。

感謝によって起こる「魔法」は、このフレーズに集約されている。
「感謝する人にはより多くが与えられて、豊かさを手に入れます。感謝をしない人は、持っているものまでも取り上げられてしまいます」

具体的な「感謝」の方法について「その日にやること」が解説されていて、28日間の実習形式で完結する内容となっている。一番最初に行なうのが「自分はどうなりたいのか、何をしたいのか、何が欲しいのか。リストを作成して詳しく書く」といったこと。
ロンダ・バーンさんは、下記のような状況が苦しい中で、リストを作成していたのだという。
「実は、そのリストを作成した時、私の会社は200万ドルの負債を抱えていて、2か月後に閉鎖され、自宅など全財産を没収されることになっていました。私個人のクレジットカードで借りられるお金はわずかでした。しかし、願い事のリストには、海を臨む豪邸に住む、異国情緒溢れる国々を旅する、借金を完済する、会社を拡張する、人間関係をできるだけ回復する、家族の生活の質を良くする、完全な健康体を取り戻す、活力と感動に満ちた生活を送るなどの他、日常生活で欲しい物を書きだしました。そして、一番の願い事は、周囲の人は完全に無理と思ったでしょうが、仕事を通じて何百万もの人々に喜びを与えることだったのです」

実習では、今持っているものに対する感謝のみならず、過去に受け取ったものに対する感謝、未来に受け取るものに対する感謝のやり方まで取り上げている。「未来に受け取るものに対する感謝」とは、その日の予定がうまくいくことに感謝、願いごとが叶ったところをイメージして感謝といったこと。
実習の中でなかなか厳しいと思ったのが、「ネガティブな状況について、感謝できることを10個あげて下さい」というもの。

また、「自分の人生を変えた“3人”の人を思い浮かべて感謝しましょう」というのは、おそろかになっているところがあり、胸がイタいところだった。
「誰でも生涯で助けを必要としていた時に、援助や支援や指導を受けたことがあると思います。また誰かの激励や導きによって、または、彼らが大事な時にその場にいたことによって、私たちの人生の道筋が変わってしまうこともあります。時がたち人生が流れ、私たちはその人が自分の人生を変えてくれたことをすっかり忘れてしまいます」

今回、本書で気になったのはソフトカバー仕様で中身がモノクロになっているところ。『ザ・シークレット』、『ザ・パワー』はハードカバーで、中身のイラストはカラーとなっていて、特に『ザ・パワー』は1ページ1ページが凝ったつくりになっていて好きだったのだけれど。

本書で特に心に残ったのが、引用されていた作家のウィリアム・A・ワード氏（1921〜1994）の言葉。
「今日、神様はあなたに86400秒の贈り物を与えてくれました。あなたはその1秒間でも『ありがとう』と感謝して、使いましたか？」

【本書で特にグッときたフレーズ】
より誠意を込めて深く感謝すればする程（言い換えると、「より多く」感謝を与えれば与える程）「より多く」を受け取れます。

あなたがこれまでどれだけ感謝を実践してきたかは、今この瞬間にすぐ分かります。金銭状態、健康、幸せ、仕事といったあなたの人生の主な面を見て下さい。豊かで素晴らしい分野はあなたがたくさん感謝して来た結果、魔法が起きたところです。そうでもない分野はあなたの感謝が足りなかったところです。

そもそも感謝をしないということは「奪う」ということに等しく、日々物事を当然の権利のように受け取ってしまっているということです。何かを当然の権利のように思うと、無意識の内に自分からも何かが奪われていることになります。

魔法の公式
1. 意識して魔法の言葉、「ありがとう」を思い、そして、口にして下さい
2. 「ありがとう」と意識的に気持ちを込めて言えば言うほど、より多く感謝を感じます
3. 意識的になるべく多く感謝し、その気持ちを感じれば、それだけ多くの豊かさを受け取れます

アインシュタインは感謝する時にその理由も考えたそうです。今あるものや、人や状況に対して感謝する時、その理由まで考えると、より深く感謝できます。魔法は感情の度合いに応じて働くことを覚えておきましょう！

もしあなたの生活にお金が不足しているならば、お金についての不安や羨望、嫉妬や落胆、猜疑心や恐怖心などの感情を抱くと、益々お金が入ってこなくなる事を理解して下さい。なぜならば、そうした感情が湧いてくるのは、既に持っているお金に対する感謝が足りないからです。

子供のころから青年時代までを振り返ると、誰かが必死で働いたお金でいかに多くの物を自分が受け取っていたかに気付くでしょう。それらの思い出や出来事の一つひとつに感謝して下さい。

自分の職場で感謝できることを全て、探してみて下さい。まず、仕事があること自体に感謝しましょう！どれほど多くの失業者が何とかして仕事にありつきたいと考えていることでしょうか。

あなたは自分の体調が良い時、健康に感謝していますか？それとも病気になったり怪我したりした時だけ健康を意識していますか？

ディズニーが1960年に製作した映画「ポリアンナ」は私が子供の頃、とても影響を受けた「嬉しさのゲーム（Glad Game）」の物語です。子供時代から青年時代まで、私はその映画に出てきた「嬉しさのゲーム」でよく遊んだものです。そのゲームでは、嬉しいと思うことをできる限り探します。それも良くない状況の時に探すのです。マイナスな状況のもとで嬉しい事（感謝できること）を見つけると、そこから抜け出すための解決策が出てきます！

もし十分なお金がなければ、請求書に感謝することは一番難しいことかもしれません。しかし、もっと多くのお金を受け取るためには感謝がどうしても「必要です」。豊かな人生を送るためにはお金に関することには何でも感謝しなくてはなりません。請求書のことをぶつぶついうのは感謝していないことです。それとは正反対のことをしなくてはなりません。その請求をしてきた会社から「受け取った」物品やサービスに「感謝」しましょう。

請求書に感謝するためには、その請求書に記載された物品やサービスからどれほどの恩恵を受けたかを考えてみましょう。

感謝とは受け取る「前に」しなければならないものです。何か良いことが起きた「後に」だけするものではありません。人は何か良いことが起きた後に感謝しますが、色々な希望を叶え、自分を豊かにして充実した人生を送るには、良いことが起きる前と後の「両方に」感謝しなければならないのです。

欲しいものを受け取る前に心から感謝すると、既に受け取った場面を即座にイメージしたことになります。それをあたかも手にしているかのように感じ、やるべきことをやっていることになります。そのイメージと感覚を持続できれば、あなたの希望は魔法のように叶えられることになります。どのような方法で、叶えられるかはわかりません。また、その方法を知る必要もありません。

「ありがとう、ありがとう、ありがとう」と3回続けて書くのは、言葉を投げ捨てるのではなく、感謝に焦点を合わせ、感謝が力強く発信されるようにするためです。

「心の魔法」を実践するには、自分の心臓辺りに意識を向けて下さい。身体の外側でも内側でも構いません。先ず目を閉じてください。その方がやりやすいからです。そして、心臓に意識を向けながら、心の中で魔法の言葉「ありがとう」を言います。難解か練習したら目を閉じる必要はありません。